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赤単エルドラージの部屋【後編】

suginamik
コメント9件 2019/07/09

皆さん、こんにちは。suginamik(スギナミク)です。マジックを、レガシーを楽しんでいますか?

 

今回は前回に引き続き、赤単エルドラージの部屋の後編をお送りします。後編は赤単エルドラージの弱点やサイドボードの考え方、テクニックを紹介するといったことをお届けします。

 

前編をまだお読みでない人は下のリンクから読んでください。

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赤単エルドラージを知らないという人がいましたら公式でも紹介されましたので、前編とあわせてそちらもご覧ください。

 

 

それでは、後編もお楽しみください。

(*インタビューは5月6日ごろ数日に分けて行われました。)

 


 

suginamik「では、後半を始めさせていただきます。よろしくお願いします。」

 

泉「よろしくお願いします。」

 

(*画像はMTGGOLDFISH様から引用させていただきました。)

 

弱点・やられていやなこと

 

suginamik「弱点や、やられていやなことは何ですか?」

 

泉「チャリスや三球で対処出来ないコンボですね。具体的に言うとショーアンドテル。エムラクールなら、クレーターメーカーで割ったり、ブリンガーや寸借者でワンチャン勝てるんですが、グリセルだとまぁ負けます。」

 

suginamik「石鍛冶もきつそうですね。」

 

泉「そうですね、青くない石鍛冶は合流点とかで何とか対処出来るんですが、青白石鍛冶はカウンター、ネメシス、基本に帰れと他にも辛い要素が多いので、不利がつきます。」

 

 

suginamik「やられて嫌なことは何ですか?」

 

泉「メインの基本に帰れですね。サイドからは割れますが、メインは詰みます。」

 

suginamik「土地を責められたり、ストンピーデッキなのでハンデスされたりするのもきつそうです。」

 

泉「太陽があるんで、ある程度耐性はあるんですが、逆に太陽を出す前に不毛を連打されるのも負けパターンの一つですね。手札の消費が激しいデッキなんで、落とされる前にいかに展開出来るかになりますね。

あとは罰する火があるんで、ハンデスを連打するデッキ相手には燃え柳を早く戦場に出すことを意識してます。」

 

suginamik「ドロソがないデッキなのでキープ基準が重要そうですね。」

 

泉「多少抜け漏れがあるとは思いますが、こんなルールを設定して運用してます。」

 

 

各主要デッキに対するサイドボーディング

 

suginamik「次は、サイド後の話に移りたいと思います。サイドボーディングとゲームプランを教えてください。」

 

対 奇跡(34戦26勝8敗)

 

out in
2 焦熱の合流点

1 エルドラージの寸借者

2 ゴブリンのクレーター掘り

1 罰する火

1 赤霊破

1 紅蓮破

2 沸騰

2 魔術遠眼鏡

 

「石鍛冶と比べて、序盤からプレッシャーをかけてくるデッキではないので、逆にこちらから積極的にプレッシャーをかけることが可能です。

 

クリーチャー1枚あたりの打点が高いので、数を並べなくて済み、終末で1対多交換を取られないように動けることも利点です。

 

サイドからは三なる宝球、沸騰を追加して、血染めの太陽と合わせて逆にマナベースを攻めていきます。」

 

 

対 デルバー  (グリクシス 24戦14勝10敗) (UR 27戦20勝7敗) (カナスレ 27戦15勝12敗)

 

out in
1 終末を招くもの

2 ゴブリンのクレーター掘り

1 軍勢の戦親分

1 赤霊破

1 紅蓮破

2 三なる宝球(先手)

2 死亡+退場(後手)

泉「チャリスや太陽が劇的に刺さるため、いかにマスカンを連打出来るかを意識して動きます。

 

ラブルマスターはチャリスがないと稲妻の的になるため、後続のための囮にするか、チャリスを置いた後に出すようにします。

 

早い展開になるため、エンドブリンガーを抜きます。

 

また、後手だと三なる宝球が間に合わないことがあるため、除去を優先させます。」

 

対 デス&タックス(38戦22勝16敗)

out in
4 ゴブリンの熟練扇動者

1 ゴブリンの戦親分

2 魔術遠視鏡

2 死亡+退場

1転倒の磁石

 

泉「プレイが一番難しいマッチです。

 

負けパターンで一番多いのが、宮殿の看守なんで、いかに難題で看守をリムーブ出来るかが鍵になります。

 

罰する火が強いマッチですが、聖域の僧院長で止まってしまうので、合流点やクレーターメーカーの使いどころは慎重にする必要があります。

 

石鍛冶サリアに弱いラブルマスターは全抜きします。チャリスの方が弱く見えるかも知れませんが、サイド後は流刑への道が追加されるため、エルドラージを守るために必要です。」

 

 

対 グリクシスコントロール(32戦25勝7敗)

 

out in
2 虚空の杯

2 金属モックス

1 赤霊破

1 紅蓮破

2 沸騰

 

「基本的に太陽や罰する火への対処手段がサイドに数枚しかないため、非常に有利な相性と言えます。

 

特に罰する火は、これ1枚で勝ててしまうレベルで活躍してくれますので、燃え柳の木立ちをヒムで落とされないように早めのセットランドを意識します。

 

コラガンの命令のせいで、こちらのアーティファクトの信頼度が限りなくゼロに等しいため、可能な限りアーティファクトを抜きます。

 

ゴブリンのクレーター掘りは一見あまり役に立たなさそうに見えますが、布告除去を避けるために残します。」

 

 

 

対 青白石鍛冶 (17戦8勝9敗)

 

out in
1 エルドラージの寸借者

1 エルドラージの寸借者

4 ゴブリンの熟練扇動者

1 赤霊破

1 紅蓮破

2 沸騰

2 魔術遠眼鏡

 

泉「ゲームプランとしては、装備品を対処することが重要です。装備品さえなければカードパワーはこちらの方が高いので、まずは装備品を場に出させないこと、また、出されても対処するように動くことを意識します。

 

全体の対戦成績では負け越してますが、戦親分を減らしてクレーターメーカーやエンドブリンガーを増やしてからは3連勝しており、だいぶ相性は改善しています。

 

装備品以外の負けパターンに、ネメシス連打や基本に帰れがあるため、サイド後は赤霊破、紅蓮破を追加します。」

 

 

対 エルドラージポスト(14戦9勝5敗)

 

out in
4 虚空の杯

1 罰する火

2 魔術遠眼鏡

2 死亡+退場

1 転倒の磁石

 

泉「寸借者の枚数が勝敗に大きく影響します。

 

メインボードは無駄札となるチャリスをいかに引かないかがお互いに鍵になります。

 

サイド後は、ポストがアンタップインするため太陽を抜きたくなりますが、ウギンの目、ヴェズーヴァ、微光地、爆発域、演劇の舞台等々、止めたいカードの方が圧倒的に多いため残します。

 

エルポス側の遠眼鏡は、クレーターメーカーを指定してくるはずなので、合流点はそれまで温存するとよいでしょう。」

 

 

対 スニークショウ(25戦8勝17敗)

 

out in
4 罰する火

2 焦熱の合流点

1 現実を砕くもの

1 転倒の磁石

1 赤霊破

1 紅蓮破

2 沸騰

2 三なる宝球

 

泉「諦めましょう(笑)

 

冗談はさておき、実際はメインはエルドラージの寸借者、終末を招くもの、ゴブリンのクレーター掘りが上手く刺さるか、運良く難題の予見者を連打するくらいしか勝ち筋がありません。

 

サイド後は、三なる球、沸騰、転倒の磁石、魔術遠眼鏡、赤霊破、紅蓮破を入れますが、それでも厳しいことには変わりはないです。

 

対 ANT(40戦36戦4敗)

 

out in
4 罰する火

2 ゴブリンのクレーター掘り

1 終末を招くもの

1 山

2 現実を砕くもの

4 フェアリーの忌み者

1 赤霊破

1 紅蓮破

2 沸騰

2 三なる宝球

 

泉「スニーウショウとはうってかわって、非常に有利なゲーム展開になります。

 

メインは虚空の杯、血染めの太陽で足を止めつつ、難題の予見者で手札を攻めていきます。サイドプランとして、罰する火・エルドラージの寸借者・終末を招くものなどは役に立ちにくいカードを外して、代わりに墓地対策、三なる宝球、沸騰、赤霊破、紅蓮破を追加します。

 

負けパターンにハーキルの召還術があるため、可能であればサイド後は虚空の杯をX=2で置きたいです。」

 

対  赤プリズン(17戦14勝3敗)

 

out in
1 終末を招くもの

4 血染めの太陽(先手)

4 虚空の杯(後手)

2 魔術遠眼鏡

2 死亡+退場

1 転倒の磁石

 

泉「トップメタ群の中では、一番の相性がいいデッキです。

 

一見、血染めの月に弱いように見えますが、実際プレイできなくなるのは9枚だけのため、致命的とは言えません。13戦の内、直近の8戦はゲーム内容を記録していますが、実際に血染めの月を張られて負けたゲームよりも、血染めの月の上から勝ったゲームの方が多いです。

 

サイドプランとしては、先手なら血染めの太陽を抜き、後手なら虚空の杯を抜きます。先手であればチャリスを0で置いて減速させるためです。」

 

対 BGデプス(15戦9勝6敗)

 

out in
4 現実を砕くもの

1 戦慄衆の勇者、ネヘブ

2 魔術遠眼鏡

2 死亡+退場

1 転倒の磁石

 

泉「神挑戦者決定戦の決勝で負けた苦い思い出のあるデッキですが、サイドをしっかりと取れば戦える相手です。

 

ゲームプランとしては、虚空の杯でハンデスと輪作を封じて、血染めの太陽で暗黒の深部を止めることを目的に動きますが、友情コンボでマリットレイジ爆誕の可能性もあるため、難題の予見者で置物除去を取り除いてから血染めの太陽を置きたいところです。

 

基本的にEoTにマリットレイジが出るためエルドラージの寸借者でコントロールを奪う隙がなさそうですが、終末を招くものか転倒の磁石があれば隙が生まれるため、サイド後も残しておきます。」

 

テクニックなど

 

suginamik「細かいテクニックがあれば教えてください。」

 

泉「初歩的なテクニックとしては、先述の通り、裏切り者の都の誘発型能力が血染めの太陽によって失われることですね。細かいところでは、エルドラージの寸借者を自分のクリーチャーをアンタップさせるためも使えることは覚えておいた方がいいでしょう。特に終末を招くものの起動型能力を1ターンに2回使えることになるため、思わぬところで役に立ちます。」

 

suginamik「初めて使う人にとってはどの呪文からプレイするべきか判断が難しいと思うのですが、呪文を唱える優先順位はありますか。」

 

泉「赤単エルドラージはプリズン要素とビートダウン要素を兼ね備えているデッキのため、優先順位をつけるのは難しいですね。当然ですが、相手のデッキやその時の状況によって、①虚空の杯、②血染めの太陽、③クロック、④除去の優先度が異なってきます。的確な盤面分析と状況判断が求められるため、方向性が明確なデッキと比べてプレイの難しさがありますが、だからこそ面白いとも言えます。」

 

suginamik「最後にアドバイスがあれば。」

 

泉「赤マナが出なくて事故っても泣かないことですね(笑)

 

ドローサポートが乏しいため、どうしても安定性に欠けるところがあって、事故るときは事故ります。その代わり爆発力があって、ブン回った時の爽快感はたまらないので、多少の事故にめげずに頑張ってほしいですね。」

 

suginamik「インタビューお付き合いいただき、ありがとうございました!」

 

泉「ありがとうございました!」

 


 

以上です。

 

泉さんインタビューにお付き合いいただきありがとうございました。Tier 1に互角以上に戦えるデッキを1から作り上げる、その努力は途方もないものだったと思います。だからこそ、プレイングやカード1枚1枚の役割についてとても分かりやすく説明していただけました。赤単エルドラージに興味のある方だけでなく、デッキビルダーの方にも参考になるところがあったのではないでしょうか。

 

最新のデッキリストでは、バリスタが採用されるなどまだまだデッキは進化しています。私も参加させていただいていますが、調整グループで日々議論されているその力もこのデッキを支える一つですね。

 

 

今回紹介した赤単エルドラージに興味をもった方がいらっしゃいましたら、ぜひ赤単エルドラージ調整のライングループにご参加ください。参加希望の方は代表者の泉さんのツイッター(@djizma_mtg)か私suginamikのツイッター(@suginamikmtg)にDMを送ってください。

 

MTG専用のツイッター(@suginamikmtg)やっています。主にレガシーに関することを取り扱っています。「記事は遅いけど、リツイートは速攻!」をモットーにしています。フォローしていただけたら励みになります。

 

それでは、素敵なレガシーライフを!

 

*追記

 

公式で岩SHOWさんが「ブラッドエルドラージ」と命名されたことを機に、赤単エルドラージは「赤単エルドラージ」と「ブラッドエルドラージ」と両方の呼び名を使うことになりそうです。ラインのグループも「ブラッドエルドラージ調整グループ」と名前が変更されました。「ブラエル」という略して呼ばれることもあるので、検索する際には少し覚えていただけるとよいかもしれません。ちなみに海外では”Spaghetti Marinara Stompy”なんて呼ばれることもあります。

コメント9件 2019/07/09

速攻民の叡智

  1. エルドラージのトマトソース掛けか>Spaghetti Marinara Stompy

  2. スパゲティで広めよう

  3. スパゲッティ・モンスターは確かにエルドラージっぽい。

  4. 空飛ぶスパゲッティ・モンスターとはエムラクールを指していた・・・?

  5. 面白い記事だった(こなみ)

  6. 面白かったです、またやって欲しい

  7. サイドインアウトのカード画像が「サイズバラバラ」「縦配置」で見辛すぎ、内容いいのにもったいない

  8. 対ANT戦績が40勝36戦4敗になってる
    勝と戦が逆

  9. >8
    修正しました。ご指摘ありがとうございました。

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